マウスピース矯正のアタッチメントが取れちゃった!どうすればいい?
透明で目立ちにくいマウスピース矯正にはさまざまな種類がありますが、中でも豊富な症例データに基づく高い信頼性と、独自の3Dシミュレーション技術によって仕上がりのイメージを確認できる点から近年、インビザラインの人気が高まっています。これまでワイヤー矯正でしか治療できなかったような症例など、幅広い歯並びに適応できる点も多くの方に選ばれている理由の一つです。
本記事では、インビザラインでの治療中に使用される「アタッチメント」と呼ばれる小さな白い突起についてご紹介します。アタッチメントは、歯を正しい位置や角度に動かすために重要な役割を果たしており、今回はその取り扱い方法や万が一のトラブルへの対処法を解説していきます。
インビザラインで使用するアタッチメントとは?
役割と効果
アタッチメントは、歯にしっかりフィットしたマウスピースに特定の圧力を加え、歯の移動を効率良く行うための小さな樹脂の突起物です。歯の表面に付けることで、マウスピースの浮き上がりを防ぎ、矯正力が効果的かつ正確に歯に伝わるようになります。これにより、歯をより大きく動かすことが可能となります。インビザライン日記でも実際のアタッチメントを使用した治療の事例やアタッチメントの種類もご紹介しています。
痛みと目立ちにくさについて
アタッチメントによって歯の1本ごとに別々の力を加えることもできるため、ねらった部分だけ回転させたり大きく傾けたりする目的にも有効です。そのため装着直後は、歯や周囲に違和感・軽い痛みを感じることがあるものの、多くの場合2~3日で慣れてくるでしょう。また歯の色に近い白や半透明の歯科用レジンでできており、歯に自然に馴染んで目立ちにくいのが特徴です。
アタッチメントの装着期間
患者様の治療計画に基づき、必要な時期や部位にアタッチメントを付けます。治療の初期段階から装着するケースもあれば、治療中に追加されることもあります。1週間〜2週間ごとにアライナーを交換しながら、治療が進むにつれてアタッチメントの数や位置も変化します。
アタッチメント装着中のセルフケアポイント
1. 歯ブラシは斜め45度の角度で当てる
歯の表面とアタッチメントの境目に歯ブラシの毛先を斜め45度で当て、優しく小刻みに動かすのが基本です。ゴシゴシと強く磨いてしまうと、アタッチメントが外れる原因になるため、力加減に注意しましょう。
2. アタッチメント部分だけを集中して磨かない
アタッチメントの部分ばかりを気にしすぎると、他の部分の歯磨きが不十分になりがちです。お口全体をバランスよく、丁寧に磨くことを心がけてください。
3. ワンタフトブラシを併用する
アタッチメントの周囲や細かい隙間には、通常の歯ブラシだけでは届きにくいことがあります。毛先が小さく細い部分用ブラシであるワンタフトブラシを使用すると、ピンポイントでしっかりと汚れを落とすことができるため、歯科医院でも推奨しています。
4. フロスや歯間ブラシで歯と歯の間も清潔に
マウスピース矯正中も、歯と歯の間のケアは重要です。フロスや細めの歯間ブラシを使って、汚れをしっかり除去しましょう。特に食後は汚れが残りやすいため、虫歯や歯周病の原因になりかねません。
5. マウスピース装着前は必ず歯磨きを
食べかすが残ったままマウスピースを付けると、虫歯やアタッチメント周囲の着色の原因となります。毎回、装着前には必ず歯を磨くようにしましょう。
6. マウスピースとアタッチメント周囲の着色に注意
カレーやコーヒー、赤ワインなど色の濃い飲食物は、レジン製のアタッチメントに着色しやすい傾向があります。できるだけ避けるか、摂取後すぐに歯磨きを行うことで着色を抑えられます。
7. 突起の痛みには矯正用ワックスを
食事中などマウスピースを外したときに、アタッチメントが当たって痛い場合は、矯正用ワックスでアタッチメントの突起部分を覆うことで口内を保護します。ワックスは飲み込んでも体に影響のない素材でできているので、食事中でも安心して使用できます。ただし、フィット感が損なわれるため、マウスピース装着時にはワックスを外してください。
アタッチメントが外れてしまったときの対処法
アタッチメントが外れたまま放置してしまうと、マウスピースが正しく噛み合わず、歯の移動が計画通り進まないこともあります。その結果、治療期間が延びる原因となるほか、ズレが積み重なることで、最終的な歯並びに影響を及ぼす恐れも生じます。
まずは歯科医院に連絡を
アタッチメントが外れてしまった際は歯科医院までご連絡します。すぐに再装着すべきかどうかは医師が判断します。以下の情報を詳しくお伝えいただけますと、状況に応じた対応がしやすくなります。
アタッチメントが外れたときに伝えるべき情報
- 現在、何番目のマウスピースを使っているか
- 外れた箇所(奥から何番目の歯のアタッチメントが取れたか)
「1つだけ外れた」「マウスピースは問題なくフィットしている」と感じられる場合でも、治療計画に影響が出るリスクがありますので、お電話などでご相談ください。歯の移動が完了している箇所や、歯の移動に大きな影響がない箇所のアタッチメントが外れた場合は、そのまま治療を進めるケースもありますが、決して自己判断で放置しないようにしましょう。次回の診察が1か月以内に予定されていれば、その際に再設置を行うこともあります。なお、複数箇所のアタッチメントが外れたり、マウスピースが浮いたりして噛み合わせに影響が出る場合は、なるべく早めにご来院ください。
再装着の流れ
1. アタッチメントが外れてしまったことを歯科医院へ連絡・相談
2. 歯科医師が治療への影響を確認・判断
3. 必要に応じて、次回の診察を待たずに来院のうえ再装着(処置は数分程度で完了します)
4. 今後外れにくくするための調整やアドバイス(噛み合わせの再確認やワックスの使用方法などをご案内いたします)
外れやすい原因と予防策
硬いものを噛んで外れてしまった
おせんべいや氷など、硬い食べ物を噛んだ衝撃でアタッチメントが外れることもあります。特定の歯のアタッチメントが何度も外れてしまう場合は、その歯で硬いものを噛む際に注意し、ゆっくり咀嚼するようにしましょう。キャラメルなど粘着性が高い食べ物も要注意です。
マウスピースの着脱方法が正しくない
食事や歯みがきのための取り外しの際に強く引っ張ったり、無理な方向に外そうとするとアタッチメントが外れてしまうことがあります。マウスピースの着脱は、指示された正しい方法で丁寧に行うように心がけましょう。外側から強引に外そうとするとアタッチメントが取れる原因につながります。内側から指をかけて浮かせ、ゆっくり奥側から外します。爪の長さなどで難しい場合はリムーバーの使用もおすすめします。
アタッチメントの接着が不十分だった
アタッチメントが正しく付いていない場合も、外れやすくなります。アタッチメントの装着は歯科医師が行うため、技術によっても差が生じます。こうしたトラブルを防ぐためには、経験豊富な歯科医師のもと治療を受けることが大切です。
レジンの劣化によるもの
アタッチメントに使われている「レジン」は、飲食物に含まれる酸や、歯の汚れが付着することで徐々に劣化します。劣化が進むと接着力が弱まり、外れてしまうことがあります。また、汚れはアタッチメントの変色の原因にもなるため、毎日の歯磨きが重要です。
噛み合わせが深く、歯に強く当たっている
噛み合わせが深い方は、アタッチメントが外れやすくなる傾向があります。特に、アタッチメントをつけた歯と対合する歯がぶつかることで、衝撃で外れてしまうことがあります。何度も同じ場所のアタッチメントが外れる場合は、歯科医師に相談して噛み合わせの調整をしてもらいましょう。なお、治療が進むにつれて噛み合わせそのものが改善され、アタッチメントが外れにくくなることもあります。
まとめ
マウスピース矯正インビザラインで使用するアタッチメントは、歯を効率的に動かすための欠かせないパーツです。今回は治療をスムーズに進めるための、日々のセルフケアの中で気を付ける点と外れてしまった時の対処法についてお伝えしました。武蔵浦和のスカイ&ガーデンデンタルオフィスでは矯正治療中のご不安やトラブルにも対応しております。アタッチメントが取れしまった場合や矯正に関するお悩みは、どうぞお気軽にご相談ください。